論文を出しました

 鷹林です。

 この度研究室より、AVS(旧アメリカ真空学会の学術誌”Journal of Vacuum Science and Technology B”に論文を出しました(2024年5月号(※隔月刊))。

R. Tsukazaki et al., J. Vac. Sci. Technol. B 42, 034201 (2024).

です。

 タイトルは、「Plasma confinement by an optoelectronic system (光電子システムによるプラズマ閉じ込め)」です。光電子制御プラズマを使うと、プラズマを閉じ込めることができたというお話です。プラズマは電離した気体で、全体として電荷中性の状態のことです。プラズマは漠然と広がったもので、その位置制御は困難でした。非常に大きなスケールにはなりますが、核融合でもプラズマを如何にして閉じ込めるかが課題の一つです。今回、その閉じ込めを光電子制御プラズマで圧力制御をすることにより達成できました。この現象により、新たな気相化学反応場の構築とその新規展開が期待されます。

 当月号のEditor’s Picks (≈ 注目論文)にも選ばれました。これはマンガ雑誌で言う巻頭カラーのことで、とても名誉なことです。

 第一著者は、卒業生第3期生の塚嵜 琉太君です。彼の偶然の発見から全てが始まりました。基本的な実験スキル練習の中で見つけたものでした。正にセレンディピィティーですが、それも日頃の努力のあってこそのことです。

 塚嵜君の卒業後、第二著者である第4期生で現6Eの内藤 陽大君が後を継いでまとめ上げてくれました。第三・第四著者の古賀 永君と福田 旺土君(現7E)は塚嵜君の同期として、装置立ち上げに尽力して頂きました。第五・第六著者の有明広域産業技術振興会会員企業である田辺工業株式会社 加藤 直樹様と渡辺 貴之様には議論と多大なるサポートをいただきました。

もうすぐ卒業式

 鷹林@5E担任です。来週3/15(金)は卒業式です。創造工学科 エネルギーコース 4期生、旧電気工学科から通算57期生が卒業します。就職に進学、各自羽ばたきます。

 私も2年に渡る担任生活に終止符です。色々、ホント色々あって人生でトップクラスの多忙な日々でしたが、人生で最も充実な日々を過ごせたと思います。

 しかし忙しさは、裏を返せば充実であり、幸福です。至らぬ担任を支えて続けてくれたクラス学生達に感謝です。

 あと一週間です。

2/20(火)の終業式にて
先立つアート作成中。

第27回(2023年度)応用物理学会九州支部学術講演会発表奨励賞受賞!!

 昨年11/25(土)・26(日)に九州大学 伊都キャンパスにて開催された「2023年度応用物理学会九州支部学術講演会」において、5E 内藤 陽大君 (鷹林研究室)が発表奨励賞をいただきました。

 対象発表は、

氏名: 内藤 陽大
講演番号・題目: 25Bp-7・光電子制御プラズマによるグラフェンの構造制御 (I) ~ ラマン分光解析 ~
共著者: 田中 修斗1、福田 旺土1、山口 尚登2、小川 修一3、高桑 雄二4、津田 泰孝5、吉越 章隆5、鷹林 将1
(有明高専1、ロスアラモス国研2、日大生産工3、東北大マイクロ研究開発セ4、日本原研5)

です。

 本賞は1997年の創設です。選考対象は大学院博士後期課程までを含みますので、最年少学年となる高専本科5年生の受賞は特筆すべきものです。過去27年の歴史の中で、熊本高専(旧熊本電波高専)の学生4名が受賞しておりますが、有明高専としては初の受賞者です。

 応用物理学会は、会員総数12,000名を超える日本有数規模の学会の一つです。九州支部も同様に大規模で、主催する九州支部学術講演会の特徴として韓国と合同で行っています。本受賞により、有明高専ならびに本エネルギーコースの知名度を九州全域だけでなく、韓国へも広げることができました。

 3月下旬には全国大会が行われ、内藤君は引き続いて登壇します。九州に収まらず、全国でも表彰されるよう頑張っていってほしいと思います。

 誠におめでとうございます!!

ISIE2023 Student Award 2名ダブル受賞!!

 鷹林です。

 9月25日(月)にUniversiti Teknologi Petronas, Malaysia (マレーシア国ペトロナス工科大学、UTP)で開催された「ISIE2023 (International Symposium on Innovative Engineering 2023)」において、鷹林研究室の5E 野田 浩矢君が第2位、6E 福田 旺土君が第3位でStudent Awardをダブル受賞しました。

 本会議は、毎年開催される九州・沖縄地区9高専とUTPとの学生交流国際会議です。

 対象発表は、

(oral): Hiroya Noda (5E), Haruhiro Naito (5E), Akito Fukuda (6E), Susumu Takabayashi, “Carbonaceous Electronics with Diamond-like Carbon Synthesized by Photoemission-assisted Plasma-enhanced Chemical Vapor Deposition”.

(oral): Akito Fukuda (6E) et al., “Modification of Graphene by Photoemission-assisted Townsend Discharge Plasma”.

です。なお1位は、佐世保高専の専攻科生でした。

 2名とも初の国際学会オーラル英語発表でした。福田君は国際会議ポスター2回と国内会議オーラル1回分を合わせて4回目の登壇で、野田君は初めての学会発表でした。

 2人とも期待を遙かに上回る成果を収めてくれました。潜在能力恐るべしです。