本エネルギーコースでは、いろいろあるエネルギーの中でも特に、電気エネルギーに関する幅広い学問:
・電力送配電・制御・電気機器・放電などの
「強電分野」
・半導体・電子回路・増幅回路・通信技術などの
「弱電分野」
・コンピュータ・ソフトウェア・プログラミングなどの
「情報処理分野」
を総合的に学びます。電気に関する工学 ― 発電所から無線情報通信まで ― を網羅します (コース名だけは授業内容が分かりにくいですよね)。
本ページでは、コース各学年(5年、4年、3年、2年)で学ぶ授業や実験を紹介します。
目次
・6年(専攻科1年) 通信
・5年 (電力)放電
(電力)照明
制御
通信
電子&通信
回路設計(電子) (その1)
回路設計(電子) (その2)
・4年 電機(前期)
制御
電子(前期)
電子(後期)
基礎理論
・3年 制御
情報
基礎理論
・2年 基礎理論
[6年] [電子&通信分野]:6年生(専攻科1年)では、5年生で行ったインピーダンス整合をさらに深めていきます。スミスチャートを含む高周波回路理論を学び、ネットワークアナライザを使ったMHz帯のインピーダンス整合を実習します。任意定数のLCRテスト回路のインピーダンス整合を、マッチングボックス(Matching Box, M/B)回路で調整しながら、どのチームが一番早く整合できるか、楽しく競争します。
さらに後半では、導波管を用いた電磁波(電波)伝送実習も行ってます。電波は障害物がなければ四方八方に広がるので、ある特定の離れた場所に電波信号を送るためは、電波が飛ぶ方向を規制しなければなりません。放送局内におけるアンテナまでの信号伝送などでは、大電力を送らなければなりません。ケーブルでの大電力伝送は、信号が大き過ぎてケーブルが燃えたりしますので、導波管を使って方向を規制しながら、管内の空間すなわち空気中を伝送させます。
[5年] [電力分野(放電)]:高電圧発生装置を用いた放電実験を行います。
[5年] [電力分野(照明)]:電力の応用分野の実験として各種照明器具の効率試験を行います。
[5年] [制御分野]:制御分野の実験では,物の動かし方に関する実験を行います。
[5年] [通信分野]:2-4年生の間で学ぶ電気磁気学では、Maxwell方程式の理解を目指します。Maxwell方程式から電磁波(電波)というものが理論的に導き出され、テレビ/ラジオ/携帯電話/無線LANなど今日の無線通信工学があります。というわけで、通信分野は5年生になって登場します。
[5年] [電子&通信分野]:テレビ動画などの情報を電波に乗せて各地へ無線送信したり、またそれを家庭で受信してテレビに映して楽しむには、情報を電波に乗せる作業(変調)と下ろす作業(復調)が必要です。下の写真は、トランジスタを用いた変調&復調回路の動作実験をしているところです。
[5年] [電子分野(回路設計) (その1)]:電子分野では、最後の5年生で電子回路の設計&作製実習を行います。これまでの高専生活で学んできた知識を基にして、現実の回路を最初の設計段階から考えていきます。一般的な設計のノウハウと作る装置の概要は示しますが、どう作り上げていくかは学生皆さん次第です。前半戦のテーマは、「無安定マルチバイブレータ」です。ノルマはただ一つ、「世の中に出して、お客様がお金を出して買って下さる」装置を作ることです。電子分野の集大成です。
[5年] [電子分野(回路設計) (その2)]:5年生での回路設計&作製実習の後半戦は、インピーダンス整合回路に挑戦します。世の中のあらゆる高周波回路(アンテナ、テレビ、無線LAN、携帯電話などなど)には、インピーダンス整合回路は必要不可欠です。この回路設計理論は、電気電子工学を学んできたEコース学生さん達が正に本領を発揮するところです。数値計算を行って適切なコイルを自作して、回路を作っていきます。実習は音声波長域で行い、スピーカーから出る音の変化を観測していきます。
[4年] [電機分野(前期)]:変圧器(Transformer)に関する実験を行います。
[4年・3年] [制御分野]:シーケンス制御の基礎と応用の実験を行います。3年生では,シーケンス制御の基礎を学習し,4年生ではPC上でラダープログラムを作成し,実際の制御対象(模擬実験装置)の制御を行っています。
他にも,模擬実験装置として,交差点信号機があります。
シーケンス制御は,学生に人気がある実験の1つです。
[4年] [電子分野 (前期)]:弱電分野の一つである電子分野では、コンピュータなどの電子機器の基本回路となる電子回路を学びます。
前期では、トランジスタ増幅回路の特性評価実験を行います。トランジスタの基礎特性や、これを用いた増幅回路の設計ならびに周波数特性を学びます。
[4年] [電子分野 (後期)]:4年生後期の電子分野では、具体的な回路の動作を理解します。下の写真は、CR発振回路の特性をリサジュー図形を観測して評価しているところです。
オペアンプ回路の特性評価をします。下の写真は反転増幅回路の周波数特性を調べているところです。各ポイントでの波形をオシロスコープで観測しています。
ICを用いてデジタル論理回路を作製し、その評価を行います。
レーザーを使って、フォトカプラの実験をしています。ある回路から別の回路へ電気絶縁をしつつ信号や情報のみを伝達したい場合、交流の場合はトランス、直流の場合はフォトカプラを使います。昔で例えると、狼煙(のろし)みたいなものです。なおレーザー光は目に悪いので、専用のサングラスをしています。怪しい人達ではありません。
発振回路の仕組みを学ぶ実験です。ノートPC上ソフトに表示されているオーディオアナライザ (スペクトラムアナライザ)により分析された周波数ピークを見ながら、発振信号の状態を調整しているところです。
[4年・3年・2年] [基礎理論]:2年後期のコース配属開始から4年前期までの2年間で、電気磁気学(電磁気学)を勉強します。エネルギーコースで勉強する「すべて」の電気磁気現象は、電気磁気学で理論的に説明することができます。電気・磁気現象をまとめると、最終的にMaxwell方程式となります。Maxwell方程式から電磁波(電波)というものが理論的に導き出され、テレビ/ラジオ/携帯電話/無線LANなどの今日の無線通信工学が切り拓かれてきました。
[3年] [情報処理分野]:パソコンの分解実験を通じて,コンピュータの仕組みを勉強します。
[3年] [情報処理分野]:プログラミングの実験で画像処理を学びます。