R6(2024)年度第一種電気工事士上期試験合格

 今R6(2024)年度から第一種電気工事士試験は、第二種と同じく年2回(上期と下期)行うこととなりました。電気工事士は近年の少子高齢化により不足が懸念されているため、社会的ニーズが高い資格の一つです。上期試験では、エネルギーコースから専攻科1年(6E)の内藤 陽大君と教員の鷹林が受験しました。7/26の合格発表で二名とも合格しました。九州地区においては、学科試験の合格率が58.4%、続く学科試験合格者による技能試験の合格率が58.4%ですから、最終合格率は34.1%の狭き門でした(※電験合格者は学科試験免除ですが、その数は非公開ですので単純計算しました)。

合格率100%でした。

 電気工事はもちろん危険を伴うため、電気工事士法により規制されています。たとえ自宅においても、違法となります。第二種は、電力会社から低圧(600 V以下)で受電する場所の配線や電気使用設備等の一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事することができます。その上位資格である第一種は、第二種の範囲に加えて、自家用電気工作物のうち最大電力500 kW未満の需要設備の電気工事に携わることができます。

 ただし、第一種電気工事士の免状を得るには、試験合格に加えて3年以上の実務経験が必要です(※もちろん両名とも第二種免許は持っています)。残念ながら在学中は実務経験を積むのは不可能です(教員も)。しかし第一種電気工事士の免許範囲のうち、需要の多い電圧600 V以下で使用する自家用電気工作物については、「認定電気工事従事者」という資格で行うことができます。第一種電気工事士試験合格者は、申請によりこの資格を得ることができます。両名ともこの申請を済ませて、認定電気工事従事者となりました。

論文を出しました

 鷹林です。

 この度研究室より、AVS(旧アメリカ真空学会の学術誌”Journal of Vacuum Science & Technology B”に論文を出しました(2024年5月号(※隔月刊))。

R. Tsukazaki et al., J. Vac. Sci. Technol. B 42, 034201 (2024).

です。

 タイトルは、「Plasma confinement by an optoelectronic system (光電子システムによるプラズマ閉じ込め)」です。光電子制御プラズマを使うと、プラズマを閉じ込めることができたというお話です。プラズマは電離した気体で、全体として電荷中性の状態のことです。プラズマは漠然と広がったもので、その位置制御は困難でした。非常に大きなスケールにはなりますが、核融合でもプラズマを如何にして閉じ込めるかが課題の一つです。今回、その閉じ込めを光電子制御プラズマで圧力制御をすることにより達成できました。この現象により、新たな気相化学反応場の構築とその新規展開が期待されます。

直径16 mm(Φ16)の穴が開いた電極カバーで予め面積規制して生じさせた光電子制御プラズマについて、
ガス導入量と圧力を調整していくと、自発的にプラズマが集光して規制物なしで閉じ込めることができました。

 当月号のEditor’s Picks (≈ 注目論文)にも選ばれました。これはマンガ雑誌で言う巻頭カラーのことで、とても名誉なことです。

 第一著者は、卒業生第3期生の塚嵜 琉太君です。彼の偶然の発見から全てが始まりました。基本的な実験スキル練習の中で見つけたものでした。正にセレンディピィティーですが、それも日頃の努力あってこそのことです。

 塚嵜君の卒業後、第二著者である第4期生で現6Eの内藤 陽大君が後を継いでまとめ上げてくれました。第三・第四著者の古賀 永君と福田 旺土君(現7E)は塚嵜君の同期として、装置立ち上げに尽力して頂きました。第五・第六著者の有明広域産業技術振興会会員企業である田辺工業株式会社 加藤 直樹様と渡辺 貴之様には議論と多大なるサポートをいただきました。

第27回(2023年度)応用物理学会九州支部学術講演会発表奨励賞受賞!!

 昨年11/25(土)・26(日)に九州大学 伊都キャンパスにて開催された「2023年度応用物理学会九州支部学術講演会」において、5E 内藤 陽大君 (鷹林研究室)が発表奨励賞をいただきました。

 対象発表は、

氏名: 内藤 陽大
講演番号・題目: 25Bp-7・光電子制御プラズマによるグラフェンの構造制御 (I) ~ ラマン分光解析 ~
共著者: 田中 修斗1、福田 旺土1、山口 尚登2、小川 修一3、高桑 雄二4、津田 泰孝5、吉越 章隆5、鷹林 将1
(有明高専1、ロスアラモス国研2、日大生産工3、東北大マイクロ研究開発セ4、日本原研5)

です。

 本賞は1997年の創設です。選考対象は大学院博士後期課程までを含みますので、最年少学年となる高専本科5年生の受賞は特筆すべきものです。過去27年の歴史の中で、熊本高専(旧熊本電波高専)の学生4名が受賞しておりますが、有明高専としては初の受賞者です。

 応用物理学会は、会員総数12,000名を超える日本有数規模の学会の一つです。九州支部も同様に大規模で、主催する九州支部学術講演会の特徴として韓国と合同で行っています。本受賞により、有明高専ならびに本エネルギーコースの知名度を九州全域だけでなく、韓国へも広げることができました。

 3月下旬には全国大会が行われ、内藤君は引き続いて登壇します。九州に収まらず、全国でも表彰されるよう頑張っていってほしいと思います。

 誠におめでとうございます!!

ISIE2023 Student Award 2名ダブル受賞!!

 鷹林です。

 9月25日(月)にUniversiti Teknologi Petronas, Malaysia (マレーシア国ペトロナス工科大学、UTP)で開催された「ISIE2023 (International Symposium on Innovative Engineering 2023)」において、鷹林研究室の5E 野田 浩矢君が第2位、6E 福田 旺土君が第3位でStudent Awardをダブル受賞しました。

 本会議は、毎年開催される九州・沖縄地区9高専とUTPとの学生交流国際会議です。

 対象発表は、

(oral): Hiroya Noda (5E), Haruhiro Naito (5E), Akito Fukuda (6E), Susumu Takabayashi, “Carbonaceous Electronics with Diamond-like Carbon Synthesized by Photoemission-assisted Plasma-enhanced Chemical Vapor Deposition”.

(oral): Akito Fukuda (6E) et al., “Modification of Graphene by Photoemission-assisted Townsend Discharge Plasma”.

です。なお1位は、佐世保高専の専攻科生でした。

 2名とも初の国際学会オーラル英語発表でした。福田君は国際会議ポスター2回と国内会議オーラル1回分を合わせて4回目の登壇で、野田君は初めての学会発表でした。

 2人とも期待を遙かに上回る成果を収めてくれました。潜在能力恐るべしです。