<退職のご挨拶>

卒業生,在校生の皆さん,お久しぶりです。高松です。
今年の3月いっぱいで有明高専を退職し,4月からは佐賀県の高校教員として着任をしました。(教科は工業なので,工業高校に勤務しています。)
有明高専はまだ,コロナウィルスの影響で分散登校のようですが,佐賀県の高校は5/14から通常登校となっております。
こちらでも,生徒や先生方と楽しくお仕事をさせていただいております。
大学院を卒業後,有明高専に18年間,佐世保高専に1年間の合計19年間,高専教員としてお仕事をさせていただきました。
右も左もわからない新人教員でしたが,多くの先生方や学生さんたちに支えられ,少しは教員らしくなることができたかなと思っています。
部活動や卒業研究など,多くのことを思い出しますが,どれを思い返してもいい思い出ばかりです。
そんなに遠くはない佐賀県にいますので,どこかで見かけたら,声をかけてくださいね。
それでは,皆さんの今後のご活躍を祈っております。

令和2年6月19日  

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_20200619_161842-768x1024.jpg

1年1ヶ月前

 鷹林です。

 今週は4Eが分散登校対象で、毎日実験でした。皆さん、お疲れ様です。明後日6月21日は楽しい日曜日で、1年1ヶ月前の日です。何の前か? 「RoHS指令の鉛適用除外廃止」のです。

 RoHS (ローズ)は「Restriction of Hazardous Substances (危険物質に関する制限)」の略で、欧州委員会(つまり欧州連合 EU)が定めた化学物質規制に関する決まりごと(指令)です。薔薇はroseで、綴りが違います。RoHSを守っていない製品は、EU加盟国内で販売することができません。化学物質の使用規制に関する決まりごとは色々なものがありますが、RoHSはその最も代表的な一つです。

 RoHSで規制される物質は現在、「鉛、水銀、六価クロム、カドミウム、ポリ臭化ビフェニル (PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE)、フタル酸ジ-2-エチルへキシル (DEHP)、フタル酸ブチルベンジル (BBP)、フタル酸ジ-n-ブチル (DBP)、フタル酸ジイソブチル (DIBP)」の10種類です。変な名前の物質もあるかと思いますが、世の中にはそんな物質もあるのです。均一材料中の濃度が、カドミウムを除いてそれぞれ1000 ppm (0.1%)を越えてはなりません。カドミウムだけはより厳しくて100 ppm (0.01%)となっています。分母は均一材料ということで、製品中ではありません。電気電子分野で例えると、トランジスタ素子中の濃度ではなくて、トランジスタの銅配線中やはんだ中の濃度になります。細かいです。

 しかしこれをガチで守ってしまうと、製品がつくれません。というわけで、特定の使用用途に関しては規制濃度を超えてもよいことが許されています。これを適用除外(Exemption)と言います。

 適用除外は鉛に関するものが多く、一番関心が高いです。一部を紹介しますと、銅やアルミニウムでは、切削加工をしやすくするために、少し鉛を混ぜているものがあります。適用除外の用途それぞれには、特有のコードが割り当てられています。このアルミニウムの例では「6(b)-I もしくは6(b)-II」、銅の例では「6(c)」というコードが割り当てられています。

 前置きが長くなりました。この鉛の適用除外が、1年1ヶ月後の2021年7月21日をもって廃止されまくるのです (> o <)。

 まだ1年以上あるじゃないか~、なーんて余裕をかましてはいけません。顧客は、自分達を守るために、余裕をもった改善期限を要求をしてきます。半年前とか。もし要求が守れなかったら・・・。

 ??? ここで賢い人は気が付かれたかと思います。「製品 → 材料 → 原料」へとメーカーを遡って行き(この繋がりを「サプライチェーン」と言います)、各段階のメーカーがその上流(川上)側に余裕を持った要求をしてきたら、川上の方のメーカーは一体何年前から対応しておかなければならないのでしょうか。そう、ここが化学物質規制全般で対応のムズカシイ問題なのです。ムズカシイので置いておきましょう・・・。

 でもそんな前倒し要求を除いても、各メーカーの品質部門は自分達自身のために、購買/調達、開発/設計、生産/製造、営業部門へ調査・検討指示を出し、社内をまとめなければなりません。営業は意外に思うかもしれませんが、製品価格(コスト)に跳ね返るからです。

 納入業者さんにも代替品確保などの対応依頼を出します。「わからないよ~」というところには、都度説明会を開きます。

 鉛の適用除外は、トランジスタの内部配線の例でお分かりかと思いますが、非常にたくさん使われています。一つの製品には数百点の部品、それぞれの部品には数十の材料、その材料には数種類の化学物質が使用されています。さて、調査すべき化学物質の延べ数はいくらになります?

 こちらに来てそんな生活から離れましたが、少し気になって現況がどうなっているか調べてみました。やはり、「延期してくれ~」のリクエスト(requested for renewal)が出ているようですね(※各コード名称に、対応するEU官報(Official Journal of the European Union)へのリンクが貼られています)。そりゃ、コロナもあることですしね。

それでは、教員頑張ります。

品質部門を知っていますか?

 鷹林です。

 今月から分散登校が始まり、各学年で実習と実験が始まりました。それを見ていて、品質部門の話を書いてみようと思いつきました。 

 私は3月末までの直近5年間、高周波電源の会社にいました。最初の半分は開発部門にいて、後の半分は品質部門にいました。

 品質部門にいたときは、ISO(文書管理)、輸出法規制対応、環境法規制対応、顧客クレーム対応、取引先との調整、設計改善指示・・・などなど、社業に関わることは何でも対応していました。もう机の上と周囲は、処理しきれない書類とクレーム(不具合)品の山でした。「5S・3定」を指導すべき立場だったのですが、自分のことはもうどこへやら。

 博士号を取ってから会社に入るまでの10年間は大学/大学院にいまして、学生の皆さんの就職活動の話を聞いてきました。会社に入ってからは、新入社員の研修も担当していました。もちろん、どちらにも高専出身の人はたくさんいました。彼らの話を聞いたりレポートを読んだりすると、十中八九の人が開発部門のことを話します。

 いやいやいやいやいや、会社は開発だけでは潰れますよ。いやいや、世の中が潰れます。

 「買った製品は安全に動いて当たり前」、という消費者が気にも止めないことを満たすために、世の中の会社の品質部門は、まぁその、血のにじむような努力をしています。

 学生の皆さんが実習・実験で間違えることがあるように、会社の人も普通に間違えたり、ミスをします。同じ人間ですから。

 とはいえ、消費者には完璧な製品を届けなければなりません。理想は6σ(シグマ)、すなわち100万台に3台のミスだけです。パーセントにすると0.0003%で、成功率(良品率)は99.9997%になりますね。皆さん、同じ作業を100万回ミスなくできますでしょうか。それでも自動車などでは人命に直結するだけに、大ニュースになることがありますね。

 そこで品質部門が出動して、ミスをさせない「仕組み」をつくるわけです。例えば、品質部門は開発部門に対して、

・設計は必要十分であるか? (余分な回路で、エネルギーやコストを無駄にしていないか)
・使用部品は適切か? (過剰な性能でコストがかかっていないか、またその部品は信頼できるか)
・電磁気的な安全規格を満たしているか?
・規制化学物質を使用していないか?
・安全保障的に問題のある部品は使用していないか?
・量産しやすいか? (部品確保が容易で、工程を組み立てやすく、作業もしやすいか)
・メンテナンスしやすいか? (製造工程や顧客使用時に問題が起こったときに対応しやすいか)
・そもそも、設計ミスしていないか? (単品ではOKだけど、全部組み上げたら動かない)。

などなどの確認と是正の要求をし、同じミスを繰り返さない仕組み(マニュアル整備やチェックシステムなど)を一緒につくったりするのです。

 注意すべき点は、ミスをした人を責めるのではなく、ミスをさせない仕組みを作るのです。誰しも完璧ではありません。

 品質部門は、顧客の前面に立ってクレームや要望を聞き入れながら、振り返って社内の開発/設計・生産/製造・営業・資材/調達・総務・経理あらゆる部門に指示を出し、会社を支えます。

 つまり品質部門はゴールキーパーで、何でも分かっていないとならないのです。でも社内の人は素直に言うことを聞いてくれない場合が多いので(ノД`)、褒めたり持ち上げたりするなど、あの手この手を駆使します。

 品質部門が優秀かどうかで、その会社の実力が分かります。

新任挨拶

 こんにちは。令和二年度からEコースに着任した白川知秀です。
 昨年度までは学生として,大学でパワーエレクトロニクスの研究に携わっていました。教員としても社会人としてもまだまだ未熟者ですが,学生の皆さんの成長に貢献できるように尽力してゆきたいと思います。
 ところで私自身高専出身(佐世保)で,高専でも大学でもロボコン部に所属していました。そういった背景もあり,ロボコン部の顧問を担当します。これまでの部活・研究経験で培ってきた知見をうまく部員の皆さんに還元できれば幸いです。
 コロナの影響を受けて遠隔授業が実施されています。顔の見えない学生の皆さんに授業を展開するのは,なんとも不思議な状況です。学生の皆さんも戸惑うことも多いと思いますが,有明高専関係者一丸となって,この状況を乗り切ってゆきたいです。